ama-oto
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 嘘から得たものは、疑う気持ちと、私が知らない日曜の夜の清人だった。

 清人は私が観たいと言っていた映画のDVDも借りてきてくれた。うどんを食べ終わった後、ソファーに座ってそれを観た。ただ、半分も観ないうちに寝てしまっていたらしい。気がつくとベッドで寝ていた。カレーのおいしそうなにおいがしていた。隣で清人が突っ伏して寝ていた。ふわふわの髪をそっとなでて、清人の手を握った。

 「ん…目、覚めた?」
 「ごめん、せっかく借りてきてくれたのに」
 「んーん、たぶん、寝ちゃうかなって思ってた。」

 私の部屋にいる間、清人の携帯はメール以外の着信もなく、清人も時折返事をするだけで、普段と何も変わらない清人だった。その隣にいた私の心の中は、黒い感情が何度も往復して目の前を通過して行った。

 「帰らなくて大丈夫?明日授業は?」
 「ん、2限からだから、朝一緒に出れば間に合う。」
 「私、もう体調大丈夫だよ。」
 「今日は帰らない。」

 甘やかすモードが発動すると、テコでも動かないらしい。私が些細なことでも心配するたびに「大丈夫」と断り、そのたびにキスか、キスとハグの両方だった。お昼に作ったうどんの片づけも、お風呂の準備も、たまたまきた宅急便の応対も、夕食作りと片づけも、すべて清人がやってくれた。私の心の中は、小さな傷がいっぱいになり、妙な熱を帯びていた。

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