ama-oto
 「雨、止んだみたいだね。」

 清人がうれしそうに話しかけてきた。雨が濡らした、キラキラ光る道を、手をつないで歩いた。1週間前の暗い自分はどこに行ったのか分からなくなるぐらい、幸せな気持ちでいっぱいになった。

 あの子のことはどうでもいい。帰ってくる場所は、私のところなんだと思う。本気で誰かを好きになったら、清人はきっと、好きな人ができたということをきちんと言って、きちんとさよならを言って去っていくだろう。だから束縛するようなことを考えたり、疑ったりするのはやめよう。

 なんだか、ふと、心の底からそう思えた。

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