恐怖短編集
☆ ☆ ☆ ☆
洋太は、ただひたすらに腹が減っていた。
夜の街は自分のようなホームレスが出歩く場所ではないと、知っていた。
一旦外へ出て、好奇心むき出しの若者に捕まってしまえば命さえ危ないのだから当然だ。
けれど、もう何日も水だけで生活していたため、外へ出なくても死は間近に迫っていた。
だったら、このままが餓死しなくても最後の力を振り絞って夜の街へ行こう。
運がよければ小銭くらい拾えるさ。