恐怖短編集
掴もうと手を伸ばせば、その手はもう私のオシリにはないのだ。


振りかえってみても、それが誰の手だか見当もつかない。


それ所か電車内の人間すべてが手の持ち主に見えてきて、女の人でさえ信用できなくなる。


軽いうつ状態に苛まれながらも、高校までの電車通学は続いているのだ。
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