*嘘月とオオカミ先輩*



「な、そう思わね?」

「まぁ……そうかもな」



同意を求められて、曖昧に頷く。



「でも――」



練習中、彼女は人一倍動いて、誰よりも声を出していた。



「すげー一生懸命じゃん」



今だって、しゃべりながらダラダラとラケットにボールを載せている1年が多い中、

彼女だけは黙々と拾い続けて、すでにラケットの面がボールで溢れそうになってる。

表情は相変わらず無愛想だけども。


< 109 / 382 >

この作品をシェア

pagetop