*嘘月とオオカミ先輩*




世界から色はなくならない。




でも、



どんなに晴れていても、

どんなに秋の風が気持ちよくても、



目に入ったすべてのものはどんより曇ってみえる。




すべてが絶望しているように見える。





青空に枝を広げる樹木さえも、何かに憂えているように見えるんだ。









あの日……、




先輩との関係に終止符を打ったその日から、





あたしの心に晴れ間は見えない。


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