*嘘月とオオカミ先輩*
ハッとして振り向くと、傍らのコートでラケットヘッドを苛立たしげに地面に押し付けている七海と目が合った。
「今の、どっち?」
「あ?」
「イン? フォルト?」
茶色く細い眉を中央に寄せながら、焦れたように睨んでくる七海。
どうやらオレがよそ見をしている間にインかアウトか判断が際どいサーブを打ち込んだらしい。
「えーっと……どっちだろ」
「はぁ? 見てなかったの!?」
細い眉がますます眉間に寄る。