*嘘月とオオカミ先輩*
嫉妬に捉われ
「と、いうわけで、彼女とは別れたから」
サークルの打ち上げ飲みで宴もたけなわのところでそう切り出すと、3年のテーブルを中心にフロア全体が大変なことになった。
「ぎゃー! 別れたとか! バカだお前!!」
「何考えてんだよ! 考え直せ今すぐ!」
「あーあ、別れてどうするつもりなんだよ。もう手にはいらねーよ? あんなカワイー子」
「フラれたのか!? 泣いてすがりつけよ!」
好き放題言う連中に、溜息混じりの声を返す。
「うっせーな、フッたんだよ」
そんな言葉で、その場はさらに騒がしくなってしまった。