*嘘月とオオカミ先輩*
がさり。
三條先輩にきつく抱きしめられたまま、音がした方へと顔を向ける。
葉を落としかけた落葉樹。
その陰に見慣れたシルエットが現れる。
心臓が大きく跳ね上がった。
「サク――」
三條先輩の腕の中にいるあたしを見て、愛しい人は目を見張ってる。
それでも誤解されたとは思わなかった。
サクヤ先輩はすぐにでも駆け寄ってきて、三條先輩を突き飛ばすんじゃないかとさえ思った。
けれど――