*嘘月とオオカミ先輩*
昨日のことを、オレとのことをすべて消そうとしてるかのような彼女の行動に、頭の中が熱くなる。
胸の中で溶岩でも湧いたみたいに、イラッとした気持ちがこみ上げた。
「ツッキー」
気づいたら、オレは彼女に近づいて、その肩を掴んでいた。
振り返った彼女は一瞬驚いた顔になり、でもすぐいつもの冷静な表情に戻る。
「なんですか、望月先輩」
「――っ」
彼女の言葉に、眉が寄ってしまいそうだった。