*嘘月とオオカミ先輩*



「ミドリちゃんペア組も?」

「うんいーよー。あれ? ツッキー、ラケット買ったんじゃなかったの?」



緑川の言葉で、オレは彼女の手元に目を向ける。

そこに握られていたのは、サークルが管理してる、ぼろぼろの古いラケットで。



「あーうん、結局いいの見つからなくて」



月島の言葉が、オレの心臓をガツンと殴りつけた。





っんだよそれ!



買ったじゃん。昨日。


オレのと、同じやつ――。


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