*ミーくんの好きなひと*


息をつくと立ち上がって伸びをする。

その姿は猫みたい。


物事に捕らわれずにのんびりしてて、それでいて、やるべきときはしっかりやる。


ミーくんはそんな人だ。


「んじゃ、行くか」

「え、どこに?」


お財布をジーンズに突っ込んで、ミーくんはいたずらっぽく微笑んだ。


「とりあえずどっかで飯食って、そんで夜景、だろ?」

「夜景!! 好き!!」
 

抱きついた私の頭をいいこいいこと撫でてくれる。
 

ミーくんの大きな手、大好き。


「ごめんな、イタリアンはまた今度」

「うん」
 

温かな手が耳に触れ、形のいい唇が下りてくる。



「18歳おめでとう、萌」


 

 
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