*ミーくんの好きなひと*
王子様が目を覚ましたのは、窓の外が暗くなってからだった。
「ん……萌?」
「あ、ミーくん起きた?」
眩しそうに目を細めながら私を見つめた後、
「今、何時?」
はっとしたように時計を振り返る。
「うわ、21時過ぎてんじゃん。……やっちった」
予約してたイタリアンには明らかに間に合わない。
ミーくんは額に手を当てて少し恨めしそうな顔をした。
「起こしてくれればいいのに」
「ごめん。あたしも寝ちゃってて、さっき起きたの」
なんて、嘘だけどね。
「……そっか」