朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~





状態が良いので血管を縫合すれば、大丈夫。付きますよ。

動くようにも、なるはずです。氷漬けで持ってくるなんて、よく気が付きましたね、あなたのお陰ですよ。



そんなような意味の、甘い言葉を穏やかに告げられた。



ほんとに…?
くっつきますか?

哲の指、無くならない?



私は半ば茫然と、医師の言葉を聞いていた。

ならば、早く縫い付けてください。私はいいから。



仕事中だったし、救急車には私が一緒に乗った。

ちょうど立て込んでいたし、哲がやりかけていた、鉄板の裁断も、誰かがやらねばならない。


なるべく早く行くから、と、真っ青な顔で言ったのは、婿様だったと思う。


引き剥がされるように連れて行かれる哲が、蜜、と。


冷蔵庫のイクラの賞味期限が……などと。



なんだか、気が抜けたというか。

少しだけほっと、した。



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