朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~



そして慌ててドアを開けた私を前に。

何か話し込んでいた様子の哲と雪音ちゃんが。

………口を、噤んだんだ。


私、雪音ちゃん来てるよ、なんて…言わなかったのに…。



「…ぁ、ごめ……ん、雪音ちゃん、さむ、かったよね」


浮かべていた、苦笑みたいないつもの笑顔を消した哲が、私をまっすぐに見つめ、目を逸らした。


忘れていたわけではないけれど、私の鼓動は一気に乱れる。




「大丈夫ですよ、蜜さんこそ、大丈夫ですか?お話、終わった?」


雪音ちゃんは、ふわりと笑う。

着ているツイードのコート越しにも、柔らかそうな、女の子らしい体つきが解りそうなくらい、優しげに、笑う。



「…うん、ごめんね、ありがとう」


並んでいる2人に、こんなにショックを受けるなんて、馬鹿みたいだ。

元々、私が2人をくっつけようとしていたくせに。



後ろから、遠慮がちに私の肩に手を置いた団長に、びくりと。


自分が何に怯えているのか、解らなく、なった。



< 274 / 354 >

この作品をシェア

pagetop