朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~
そして慌ててドアを開けた私を前に。
何か話し込んでいた様子の哲と雪音ちゃんが。
………口を、噤んだんだ。
私、雪音ちゃん来てるよ、なんて…言わなかったのに…。
「…ぁ、ごめ……ん、雪音ちゃん、さむ、かったよね」
浮かべていた、苦笑みたいないつもの笑顔を消した哲が、私をまっすぐに見つめ、目を逸らした。
忘れていたわけではないけれど、私の鼓動は一気に乱れる。
「大丈夫ですよ、蜜さんこそ、大丈夫ですか?お話、終わった?」
雪音ちゃんは、ふわりと笑う。
着ているツイードのコート越しにも、柔らかそうな、女の子らしい体つきが解りそうなくらい、優しげに、笑う。
「…うん、ごめんね、ありがとう」
並んでいる2人に、こんなにショックを受けるなんて、馬鹿みたいだ。
元々、私が2人をくっつけようとしていたくせに。
後ろから、遠慮がちに私の肩に手を置いた団長に、びくりと。
自分が何に怯えているのか、解らなく、なった。