朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~
ごめん遼、手を……離したい。
それとなく指を引いたけれど、握られた手は、緩まなかった。
「遼…」
「花、買ってあげようか?」
…どうして気が付かない。
手を離したいんだってば。
待って待って、ごめんなさい。
私が手を取ったんだけど、やっぱり嫌だった。
なんて。
…言えっこない。
「ううん、花いらない」
「そう?」
「…うん」
離されない手に、意識が集中した。
ほどこうとした私の動きに、気が付かない訳がないのに、遼は握り直した。
それだけの事が、私の脳を掻き回す。
遼を、嫌いじゃない。
むしろ好きだ。
手の冷たさも、嫌じゃない。
でも。
私、帰りたい。