朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~
やっぱり、2人で出掛ける事はしちゃいけなかったのかな。
みんなの中での遼なら、大好きなのに。
誰よりも綺麗で繊細な遼を、見ているのは楽しいのに。
昨日の遼の。
何処か穏やかではない空気を、感じなかった事にしたい。
遼、嫌だよ。
普通にしていたい。
「遼、手…ごめんね?」
少々強引に引いた手を、どうしてもっと自然なふうに出来なかったのか、引いた瞬間に、また後悔した。
あんまりにも、遼が。
頑なに握り締め、離さないものだから、思わず顔を見上げてしまって。
整った顔立ちの中でも、際立って綺麗な遼の目が、眼鏡越しに私を見下ろしていて。
やけに真剣な色を浮かべた視線を、まともに受け止めてしまった。
ぞくりと、快感とも悪寒ともつかない疼きが、逃げ出したい衝動へと繋がった。