【完】俺が消えてしまう前に


そんなある日。


「水島、ちょっといいか?」


「先生?」


「・・・その、なんだ。今までいじめられて・・・いたんだよな?」


「そう、ですね」


「気付いてやれなくてすまなかった!!!」



七海の担任の先生が深く頭を下げた。

こんな光景は今まで見た事もない。


学校側はいつでもいじめなどを隠したがる。

・・・きっとこの学校は桃子の学校だから、素直に非を認める事もできるんだろう。


理事長も確かこの前七海に謝っていた。

理事長がだぞ。
確か、校長先生までもが出動してきたな。



「それで物は相談なんだが・・・」


「はい?」


「今度の体育祭の実行委員長になってみないか?」


「ええ!?」


「駄目か・・・?」


「そ、そんな私がですか?いきなり?」


「皆ともっと近づいて仲良くなる。それがお前の為だと思うんだ」


「・・・私が皆をまとめるなんて出来るでしょうか」


「もう一人うちの委員長に頼んである。水島の事も支えてくれると思う」


「せ、せめて実行副委員長がいいです」


「・・・そうだな、うーん。よし、ちょっと話してみるよ」


「はい」



七海が体育祭の実行委員?

・・・なんか、少しだけ嫌な予感がした。

気のせいだといいけど。
< 115 / 166 >

この作品をシェア

pagetop