【完】俺が消えてしまう前に
そんなある日。
「水島、ちょっといいか?」
「先生?」
「・・・その、なんだ。今までいじめられて・・・いたんだよな?」
「そう、ですね」
「気付いてやれなくてすまなかった!!!」
七海の担任の先生が深く頭を下げた。
こんな光景は今まで見た事もない。
学校側はいつでもいじめなどを隠したがる。
・・・きっとこの学校は桃子の学校だから、素直に非を認める事もできるんだろう。
理事長も確かこの前七海に謝っていた。
理事長がだぞ。
確か、校長先生までもが出動してきたな。
「それで物は相談なんだが・・・」
「はい?」
「今度の体育祭の実行委員長になってみないか?」
「ええ!?」
「駄目か・・・?」
「そ、そんな私がですか?いきなり?」
「皆ともっと近づいて仲良くなる。それがお前の為だと思うんだ」
「・・・私が皆をまとめるなんて出来るでしょうか」
「もう一人うちの委員長に頼んである。水島の事も支えてくれると思う」
「せ、せめて実行副委員長がいいです」
「・・・そうだな、うーん。よし、ちょっと話してみるよ」
「はい」
七海が体育祭の実行委員?
・・・なんか、少しだけ嫌な予感がした。
気のせいだといいけど。