【完】俺が消えてしまう前に

俺と七海は毎日幸せな日々を積み重ねている。

七海に思いを伝えられなかったあの苦しい日々と比べたら本当に天国と地獄の差だ。






「樹君!愛希ちゃんのお墓参り行く?」


「行くに決まってんだろ」


「うん!!私たちの事も報告しなきゃね!」


「そうだな」


「愛希ちゃんなんて言うかなぁ?」


「俺が逝ったら聞いておいてやるよ」



七海は俺の言葉を聞きむっとする。

俺はどうして七海がむっとするのか分からず途方に暮れた。



「機嫌直せよ」


「嫌」


「七海ー」


「嫌ったら嫌」



俺の何がいけなかったのか。


たまに七海がこうなるから困る。


「・・・樹君」


「ん?」


「キスしてくれたら許す」


「そんなのお手のもんだし?っつーか言われなくてもするよ」



俺は七海にキスをした。

毎回七海はこれで機嫌を直す。




こんな事も日常茶飯事だ。


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