【完】俺が消えてしまう前に


こうやって幸せな日々を過ごしてれば、もちろん幸せとは反対の事だって起きる。




毎日毎日俺にベタベタくっついていた七海が急に冷たくなった。

いきなりの出来事に俺は訳が分からない。



「七海、キスしてやろうか?」


「いらない」


「なんだよ」


「私の前から消えて!」


「はぁ!?」


「今は樹君の顔見たくない」


「だから、どうしたんだよ急に!!また俺変な事でも言ったのか?」


「言ってない!」


「じゃあ・・・」


「お願い、今は一人にしてよ」


「・・・」




明らかに今までの態度とは違う。


機嫌が悪くなったとかそういう程度のものじゃないってことはさすがの俺もすぐに分かった。





桃子に理由を確認してみても「自分で考えて解決しなさい」そう言ってくるだけ。


俺が考えても答えが出てこないから頼ってるのに。



自分たちカップルは喧嘩もしないからそうやって軽々しく言えるんだよな。

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