【完】俺が消えてしまう前に


七海は次の日になっても元には戻らなかった。

むしろどんどん突き放していく。



俺を置いて学校にも行きやがった。

急いで七海の後を追い、ようやく追いついた。




「・・・おい七海」


「何」


「さすがの俺でもキレるぞ?」


「・・・いいんじゃない?」


「なんなんだよ。そういう態度意味わかんないんだって!!」


「分かんなくていいよ。一生。・・・っていうかさ、ももちゃんのお母さんに本当に除霊してもらえばいいんじゃない?」





俺の中の何かにヒビが入ったような気がした。




「・・・七海にとって俺はその程度か。ああ、分かってたよ。所詮俺はいつか消える幽霊だもんな?」



俺はその言葉を最後に七海の前から姿を消した。


あんなにも想っていた気持ちも、
あっという間に消えていく。


大好きな人に裏切られるってこんな気持ちと同じようなもんか?




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