【完】俺が消えてしまう前に



学校へと近づくにつれ、七海の口数が減っていった。

俺と愛希はなんとか会話をもたせ
七海の後をついていった。



【桜塚第一高等学校】


そう堂々と書かれた校門。

七海と同じ制服の女子高生や男子高校生が登校していた。





「時間はまだ大丈夫だったんだな」


「なっちゃんとおんなじ服ばっかだぁ!」


「おい、愛希!走りまわるな」


「なんでー?」


「迷子になるだろ」


「そんなことないもん!」



七海はそんな俺達を見て少しだけ笑った。

だけどいつもの様に元気はない。





「七海、行くか」


「・・・うん」



七海に案内され校門を抜けると
でかすぎる校舎が目の前に現れた。
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