【完】俺が消えてしまう前に


四階建てで二つの校舎に分かれており
渡り廊下でお互い行き来できるようになっている。


外から見ると綺麗ででかいから迫力がある。
いかにも金持ちが行くような・・・。

そういえば七海の両親も結構いい服とか着てたし。



「こっち」


七海に手招きされ生徒玄関に着いた。

靴を脱ぐ七海を見て思わず俺も脱ごうとする。



「いっちゃん」


「ん?」


「あきたちは脱がなくてもいいんだよ?」


「・・・」



俺は急いで靴をはきなおした。


そういえば脱いでも脱がなくてもどっちでもいいんだよな俺達。

「形だけでも脱ごうと思っただけだよ」


「いっちゃんのそれって照れ隠しっていうの?」


「はぁ!?何言ってんだよ!」


「いっちゃんが怒ったー!あはははっ」


「愛希!!」



俺らがふざけあっている時。

七海が「痛っ!」と声を上げ、しゃがみこんだ。



「七海どうした!?」


「いたたたた・・・」


七海は右足の靴下を脱いだ。
足の裏からはうっすらと血が滲んでいる。
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