【完】俺が消えてしまう前に
「・・・許さない」
・・・力が体の奥底から湧いて出てくるようだ。
自分でも何が起きているのか分からない。
だけど、とてつもない力だという事は分かる。
「絶対に、許さない」
まず異変が起きたのはトイレの個室。
便器一つ一つの水が流れ出す。
「ちょっと!誰!?誰も触ってないよね?」
「あたしじゃないわよ!」
「あんたじゃないの!?」
「わ、私じゃない!」
次に手を洗う場所に設置してある鏡三枚が全て粉々に割れた。
それを追うように窓も割れる。
「ちょっ!!何これ・・・」
「きゃあああっ」
「トイレの花子さんとか!?」
「馬鹿変な事言わないでよ!」
・・・そういえば窓の近くには七海が!
俺は七海が心配になり、七海の方を見る。
「えへへ!」
愛希も少しだけ力を使えるようになったのか、愛希と七海の周りに少しだけバリアのようなものが見える。
窓ガラスの破片も七海には当たってないようだ。
自分が幽霊だと魔法みたいなものも使える。
・・・今この瞬間だけ感謝した。
自分が死んでいて良かったと。