魅惑のハニーリップ
「聖二が言うにはね、遥ちゃん……昨日と今日で全然違うって」

「……」

「きっと、和久井くんのことじゃないかって言ってた」

「え?!」

「和久井くんが遥ちゃんに言い寄って、迷惑かけてるのかも……って」

 昨日から宇田さんも心配してくれてるけれど、それはまったくの誤解だ。

「それは違います」

「そうなの?」

「はい。連絡先を交換しただけで、昨日の今日だからまだまともにやりとりはしていないので」

 今朝、声は掛けられたけれど、ただ普通に挨拶しただけだ。
 警戒しなきゃいけないような特別な行動は、和久井さんからはされていない。

「じゃあ……なんで聖二はそんなに気にしてるのかしらね?」

 佐那子さんは小首をかしげながら、窓の外の景色へ視線を送る。

「宇田さんが……心配しすぎなんだと思います」

 宇田さんはなぜかわからないけれど、変に和久井さんを警戒している。
 和久井さんは、私に気があるとか、そんなつもりなんてないのかもしれないのに。
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