魅惑のハニーリップ
「和久井くんに言い寄られて困ってるっていうのは、聖二の考えすぎかぁ」

「はい。宇田さんは自分が和久井さんを私たちに紹介したから、気にしてくれてるんだと思いますけど……」

「そうね」

「それに、私が……佐那子さんの後輩だから……」

「え?」

 ヤバい。思わず口が滑って、頭で思ってることを言ってしまった。

「それってどういう意味?」

 私が一瞬ハッとした顔をしたのを、佐那子さんが見逃すはずがない。
 少し不思議そうにしながらも、私にその答えを求めてきた。

 言いづらい。どう伝えたらいいのか……

「えっと……私が宇田さんの後輩っていうよりは、佐那子さんの後輩なんで……それで気を使ってくださってるのかなぁって思っちゃって」

 完全にしどろもどろになってしまった。
 だって、宇田さんが佐那子さんを気に入ってるから私のことも気にしてくれるんですよ?
 なんて、堂々と言えやしないもの。

 だいたい、佐那子さんはどこまで宇田さんの気持ちに気付いているのだろう?

 全部気付いているのだとしたら……どう思ってるのかな?

 今は別の人と婚約していて、もうすぐ結婚する身だけれど。
 以前は……宇田さんのこと、少しは好きだったとか?

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