魅惑のハニーリップ
 今言わなきゃって、そう思ったから……言えて良かった。
 もし本当に酷い事故だったら、言えてなかったんだもん。
 自分の気持ちを口に出来ただけで、ちゃんと伝えられただけでいい。

 ……後悔なく終われる。

「ごめん、俺……」

 わかっていても、謝られると悲しくなってきてしまう。
 私の気持ちは成就しないと、初めからわかっていたけれど。
『付き合えないよ』という言葉が次にやってくると思うと、悲しい気持ちが湧いてきた。

「いいんです。わかってますから」

「わかってるって、なにを?」

「私の……片思いですもんね」

 私の背中に宇田さんの両腕がまわってきて、ガッチリと抱きしめられた。
 その意味がよくわからないけれど……でも抱きしめられると幸せだ。
 私のほうが誤解してしまいそう。

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