Dolls
「また担任が進路のことで口出してきてさー...行きたいところあるんだから放っといてくれればいいのに。」


人形に話しかけるなんて、他人にはかなり変な目で見られるだろう。
実際私自身も自分が痛い子だと思っている。


でも何故か、この人形にだけは本音をちゃんとぶつけることが出来るのだ。


友達もいない、親も信用していない。
カナデだけが本当の私を知っている。


「そういえばね、今日も告白されたんだよ。全く興味ないってオーラ全開なのに、なんでみんな学ばないかなぁ...」


友達に話す感覚で今日の出来事を話していく。
一方的にずっと話すということが、私は意外と好きなのかもしれない。


「ほんと、ウザいよね。」


私はにっこりと笑いながらカナデに言う。
カナデはいつもと同じように、小さく笑みを浮かべていた。
< 7 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop