親愛なるシャボン玉
「おい、おい、朝から随分威勢がいいな」
1リットルの牛乳パックを手にしたまま振り返ると、パジャマ姿の父親が新聞を片手に入って来て、リビングのソファに座った。
教師である父親も今日は休みだ。
「どっか出かけるのか?」

「うん。部の仲間とね、お花見。」

「おぉ、そうか。良かったな、見事な花見日和だ」

「まっ、日頃の行いいーからねっ」

「まったく、調子に乗って浮かれてると、怪我すっぞ」
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