親愛なるシャボン玉
ー昼休み。
退屈だ。
くだらない恋愛話をしながらゴハン食べる趣味も無ければ、集団でトイレで化粧直しする習慣も羽瑠にはない。
屋上でタバコを吸いたいとも思わない。どれも羽瑠にとっては時間の無駄にしか思えない。

頬杖つきながら、退屈な昼休みをどう過ごそうかと考えていると、今朝、強引に押し付けられた茶封筒を思い出して、机を探った。
A4サイズのそれは、ずっしりと重たかった。
おそらく、写真集だろう。
そうであることは、今朝、手にした瞬間にわかっていた。
だからこそ、何であるか尋ねようとしなかったし、開けても見なかった。
少しだけ迷って、机の中に戻した。

チクリと胸が痛んだ。
ーその日も部室には、行かなかった。


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