狼系王子とナイショの社内恋愛


「いえ。普通に盛り上がってはいましたよ。
総務課のお姉さま方も、結城さん欠席に最初は落ち込んでましたけど、途中からぶりっ子やめて素で歌って騒いでましたし」
「……金子さん、一応そういう話は社内ではしない方が身のためかも」
「大丈夫ですよー。周り確認済みですから。
総務課は先輩と私以外は今仕事中ですし。
それに事実ですもん。結城さんの前でだけ猫かぶってたのとか」

まぁ、金子さんがそういうなら大丈夫かと安堵のため息を落とす。
金子さんは一見、色々と軽率すぎるように感じるけど、案外しっかりしているから。

ぐるっと見渡してみたけれど、確かに食堂には他の総務課の社員の姿はなかった。

「でも、盛り上がったなら問題ないんじゃない?」
「大ありですよー。私色々結城さんに聞きたかったのに聞けずに終わっちゃいましたもん。
一次会は、お姉さま方が両脇キープしちゃってたし、二次会こそって気合い入れてたのにー」
「色々って、何聞きたかったの? あ、敬語しか使わない事とか?」






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