狼系王子とナイショの社内恋愛


最初はというか、つい最近まではただの興味本位だろうって思ってた。
だけど、一緒に過ごす時間が長くなるほど、もしかしたら本当に私の事……みたいに思えてきてしまって。

結城さんの笑顔や優しさが、全部特別なものなんじゃないかなんて感じ始めた。

そんな風に思うようになったのは、一緒にいる時間が長いからっていうのももちろんあるけれど。
一番の理由は、金曜日のキスのせい。
というか、87%はそのせいだ。

結城さんがあんな、うっかり私が勘違いしちゃいそうなキスしてくるから悪い。
あんな、気持ちがこもっているようなキスされたら意識したって当たり前だ。

思い出しただけで顔が熱を持って、その場に頭を抱えてしゃがみ込みたくなる。
だけどここは社内だしそんなわけにもいかないから、赤くなった顔を隠すように俯いて階段に向かった。

「先輩、待ってくださいよー」

エレベーターホールを過ぎようとしていた時、後ろから金子さんが駆け寄ってきた。
どうやら私が片付けてすぐに金子さんも席を立ったらしい。

こんなところで社内の噂話を大声で楽しそうに話されたらどうしよう。
そんな事を思って不安になっていると、金子さんがにこっと笑う。







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