狼系王子とナイショの社内恋愛
「金子さん、それだとおばさんが可哀想だから。
せっかくうちの食堂に入ってくれてるのに、そんなおまけばっかりしてたら経営悪化して潰れちゃうよ」
「そうなると160円のおそばが食べられなくなっちゃいますね……。
それは私のお財布に大きく影響してくるし困りますけどー。
でもずるいですー。やっぱり世の中顔ですねー」
そんな事をぶつぶつ言いながら食後のお茶を飲む金子さんに、無難に、そうだねとだけ返事をしながら私もお茶の入った紙コップを口に運ぶ。
それから、お先にと席を立った。
食べ終わったからっていうのもあるけど、金子さんは明るいトーンで、平気で周りに聞かれちゃマズイような事を言い出すし、これ以上一緒にいて新たな社内ネタを振られるのが怖かった。
それになにより、結城さんが一緒に座ったりするから、気のせいかもしれないけれど周りから視線を集めている気がして。
結城さんにとっては周りからの視線なんて当たり前だろうし気にもならないんだろうけど、私はあんなの落ち着かない。
本来そういう注目集めるような人間じゃないし。
なのになんで……。
結城さんは私を特別に見るんだろう。