狼系王子とナイショの社内恋愛


別に、課長を目で追ったらマズイだとかそういう意識が働いての事じゃない。
自然にそうしていただけで、完全に無意識だった。

課長よりも結城さんを、なんて、どうしたんだろう。私。

課長の存在が私の中で小さくなりつつあるのか。
それとも、結城さんの存在が大きくなったせいなのか。

どちらにしても、課長よりも結城さんを優先させたのは事実で。
なんとなく自分でも結城さんを意識してるっていうのは分かっていたけど、それを思わぬ形で実感して驚いた。


朝一番で、噂はデマだって話を結城さんが広めてくれたのに。

それは同じフロアにいる社員にしか伝わっていないようで、違う階になんて行ったりするとすぐに好奇の視線が刺さってきた。
目が合った途端、その辺でヒソヒソ話が広まっちゃうレベルで、課長と私はすっかり有名人になってしまったらしい。

ただ頼まれていた備品を計画課に渡しにきただけなのに、もう視線の矢が数十本単位で刺さってる。

落ち武者が見ても驚かれるレベルだ。


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