狼系王子とナイショの社内恋愛


「結城さんが手馴れてるからちょっとやきもち焼いただけです。
今までたくさんの子とこうして過ごしたんだろうなって思ったらなんだかちょっと……」

面倒くさい女ですみません、と先に謝っておく。
結城さんはやきもちとか焼かれるの面倒だって前言っていたから。

山川さんに、電話の相手を詮索されただけで嫌で別れたほどなのに、こんな言っても仕方ない過去の事で拗ねられるなんて嫌に決まってる。

だけど、結城さんの表情は思いのほか柔らかく微笑んでいて。
面倒くさがられるだろうなと思っていた私の予想は外れる。

「前、碧衣と過ごすようになってから、色々な感情を初めて感じるようになったって話をしたの、覚えてる?」
「あ、はい」

嫉妬だとか、ちょっとした事が嬉しかったりだとか。
それは初めて感じる気持ちだったって話してくれたのは、確か前この部屋に来た時だ。

「やきもち焼かれるのが嬉しいって感じたのも、今が初めてだ。
今まで面倒だとしか思わなかったのに……」

こんなに嬉しいもんだとは思わなかった、と微笑む結城さんは本当に嬉しそうで。


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