狼系王子とナイショの社内恋愛


一緒に映画を見て、そのまま映画館の建物内にあるカフェでコーヒーを飲みながら、見た映画の事について色々話をしていたんだけど。

テロリスト集団として、今注目されている若手俳優がたくさん出ていたのだけど、その誰にも興味を示さないでいたら志穂が急に怒り出してしまった。

ただ私が出演俳優に興味を持たなかっただけじゃなくて、映画自体も楽しんでいなかったし今日ずっとどこか上の空なのが原因みたいだけど。

「だから、今日は楽しめないかもって言ったのに。
志穂が無理やりつれてきたんでしょ」
「だって振られてから一週間も経つのにまだ家でうじうじしてるって言われたら連れ出したくなるじゃない」
「一週間もって……まだたったの一週間じゃない」

時間の感じ方の差に呆れて笑うと、志穂はまだしかめっ面のまま続ける。

「私は一週間あれば立ち直れるもの」
「志穂はそうかもそいれないけど、ほとんどの人は……っていうより、私は無理なの」
「女々しいなぁ、もう。
私だったら記念日に振られたぐらいじゃへこたれないですぐ次行くのに。
その前に、一年続いた事もないから記念日なんて迎えた事ないけど」



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