+悪魔の咎め+





「ん?」


「……。」


「結愛ちゃん?」



忘れていたわけじゃない。

でも今ふと、思い出した。




「お父さん…連絡来てない。」


「え?」




───連絡が一切無い。

お父さんは仕事で忙しいのは分かる

だけども昨日は私の誕生日。


毎年いくら忙しくても連絡の一本はくれる

律儀な私のお父さんだ。



そのお父さんを私は忘れていた

忘れていたというよりも、




───いない存在としていた。








< 70 / 106 >

この作品をシェア

pagetop