こっち向けよ





「あのさ、いろいろ突っ込みどころがあるんだけど…」



しばらくそうしていると、重い空気を破るように困り気味の愁が喋る。



「ごめ~ん!酔ったかな?」



そう言ってみるも、愁のシャツの裾を掴んで離せない。



「あっちでなに飲んでんだよ…」



軽い突っ込みは私のぐちゃぐちゃでめちゃくちゃな気持ちを軽くした。



お祖父様に偉そうに言ってしまったこと。



時任さんに思いっきり拒絶を示してしまったこと。



あれだけじゃなにも終わりに出来ていないって言う、不安。



一番なのは…



脱いだ自分の服と、



愁がくれたプレゼントを



本邸に置いてきてしまったこと。



愁がくれたプレゼントを、置いてきてしまった…



あぁ、泣かない泣かない!





< 154 / 226 >

この作品をシェア

pagetop