こっち向けよ
時任の腕に手をかけたのに、振り払えなかった私。
まるで私の人生そのもの。
嫌だと思っても、はっきり言えない。
人に嫌われるのが怖くて、パパとママに迷惑掛けるんじゃないかって心配で、自分さえ受け入れれば誰も困らないといつも歯を食いしばる。
でも、愁が私を動かした。
愁がほしいからあの時お祖父様に言えたの。
…でも結局最後には嫌って言えない。
こんな些細な抵抗さえも出来ない。
腕くらい簡単に振り払えられるといいのに。