再生ゲーム
「名前は何にするの?」


「……ゲーム」


ゲームには喜怒哀楽が詰まっている。使い方を間違えば、人の心を幸せにも不幸にもする。


この子はそんな子……私には小さな安らぎをせめて頂戴ね。


「キャンキャン!」


「気に入ってくれたのね! 良かったね! よしよし!」


「ふぅーん、ゲームかぁ。面白いかもね? ふふふ。拓也さんは困るんじゃないの? あはは!」


整った綺麗な顔立ちが、ほんの一瞬不気味に見えた。


――気のせいかな……


この人の薄ら笑いが鼓膜に響いた。


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