手をつなごう


「俺は、行かないよ。」


圭一の言葉に、椿は顔を上げ、真っ直ぐ見つめていた。


「仕事なんだ。その日から九州に行く。」


圭一の服の裾を掴む手に、力が込められる。

「椿は?椿は、どうしたい?」











暫くの沈黙が、2人を包む。








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