手をつなごう
「気になるらしいなぁ。俺がお前を泣かしてる様にみえるらしい。しかも、自分に聞かれたくない話を俺としてるんだから、気になってしょうがないだろうよ。」
ニヤニヤと笑う圭一にとっては、2人の事がじれったくて堪らないと言った感じに取れた。
「でも・・・」
「あのなぁ、ハルの時も素直になれなくて離れたんだろ?!同じ事、繰り返すなよ。」
いつもは、サバサバしているクセに、いざとなったら優柔不断になる椿に、ヤレヤレと困り顔を見せる。
「陽太の態度は、分かりやすいけどな。あんな態度、好意無いと出来んだろ?」
ふぅっと溜め息を付く。
「とにかく、俺は行けないんだから、行くなら別の奴と行けよ。その為に、今お前がしなきゃいけない事は、素直になる事だ!!」
圭一は、目の前のグラスに入っているカクテルを空けると、強く椿に言った。
すると、椿はモスコミュールを一気に飲み干すと、深呼吸を1つした。
「分かった。ありがとう、圭一。」
笑顔で感謝を示す椿を見て、圭一も笑顔になり優しく撫でた。