接吻《修正中》
数日後、親父はまた遠くへと車を走らせ、俺は一人暮らしを始めるマンションに向かった。

実家には、お袋が一人。

よかったな?

これで、家にも呼べるよな?

でもさ・・・俺もよかったよ?

あんたの顔を見なくて済むし、あんたに気を遣わなくて済む。


「・・・ひろっ・・・寛久っ」

「うるせー・・・よ・・・静かにしろ、誰かくる・・・」


家から離れたところで、何かが変わるなんて思っちゃいない。

実際、大学に入学し新しい生活になったが、前となにひとつ変わってないし・・・。


「だっ・・・ダメッて言った、でしょ?」


雨も晴れも関係ない。

堕ちるところまで堕ちてやる・・・。


「誘ったのは、あんただろ?」

「で・・・も、此処大学のナ、カっ・・・」


草木が風で揺れ、俺の頬にも冷たい物が当たる。

どうにでも、なっちまえばいい。

俺なんか、このまま消えちまえば―・・・。
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