接吻《修正中》
奈々といると、お袋の事を忘れられた。

なんであんなに憎かったんだっけ、とか。

なんで寂しいなんて思ったんだっけ、とか。

お袋の浮気なんて、どうでもよく思えた・・・。

人間って、こんなもんなのか?

あの家を離れても何も変わらないと思っていたのに・・・。



*****



『寛久、いつ帰ってくるんだ?そんなに忙しいのか?』


こっちで一人暮らしを始めてから結構立つが、一度も実家に帰る事なく、親父からの電話も流していた。


「まあ・・・バイトとかさ・・・」

『たまには帰って来いよ。そんなに離れていないんだから、直ぐ来れるだろ?』

「ああ・・・わりぃ・・・」


受話器腰の寂しげな親父の声に、キリッと心臓が痛む。
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