付喪狩り


二階建ての住宅だ。
声はその家の二階から聞こえていた。


陸はためらわずに、その家の中に入っていった。玄関のドアの鍵はあいていた。靴を履いたまま廊下に上がり、階段を駆けのぼる。


二階にある部屋のひとつに、足を踏み入れた。


その部屋には、服がちらばっていた。床に掃除機が転がっていた。
壁際に、腹をおさえてうずくまる、ひとりの中年女性がいた。


「じばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじばじば」


目の前から、付喪の声がした。


陸は、その方向に視線を向けた。


「ああ、やっぱりいた。付喪だ」


陸はつぶやいた。


そこには、箪笥があった。


部屋の箪笥が、殺意に満ちた声を激しく発していた。




箪笥の引き出しから、手がはみだしていた。


















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