魔界女王伝

第六章、避けられなかった死

ジョンソンは博物館に展示している部屋を巡回し、最も大きな部屋のドアを開いた。
色々貴重な展示物が大ホールを埋め尽くしていた。その中で、博物館の一角に人形の展示会があった。



ジョンソンは大型の懐中電灯を照らしながら不審者が侵入していないか、隙間なく見て回る。
              

もしも、不審者に貴重な展示物を一体でも盗まれたら大事になる。もちろん防犯カメラが二十四時間監視しているが、それでも油断は出来ない。



ジョンソンに緊張が走る。彼は特に展示物に興味はなかったが、一つだけ見回りたくない展示物があった。それを見るだけで、悪寒が走り、最近気分が優れないでいた。
中央に置かれている、いわくつきの「通称」悪魔の人形というものがあった。



深夜0時。静まり返った博物館に置かれている柱時計が不気味な轟音と共に、鳴り響いた。



「ゴーン、ゴーン、ゴーン」




ジョンソンは最近考えていた。専門家によるとイギリスの高名な人形師が、あの恐ろしいイエスの子供の頃の姿をした人形を作ったとされている。



だが、見るからにまともな精神の持ち主が作った作品とは思えなかった。その人形は白い肌に子供の姿をしており、一見すると姿は少女のようだった。白いドレスを着せられて、頭に茨の冠をつけて目から赤い涙を流しながら笑っていた・・・。



本来この様な外見を取らせるなら愛くるしい容姿に為るはずだが、この人形は異質で例外だった。

正直、あの人形を見ているとジョンソンは恐怖を感じていたし、ほかの巡回する仲間もあまり近付きたくないと言っていた。そう一人を除いてだが。それがダイアンだった。
< 47 / 70 >

この作品をシェア

pagetop