「視えるんです」
今度こそ諦めた私は、ゆっくりと目を閉じた。
背後に感じる鏡の女の冷たい気配と、何かを叫ぶ雨宮さんの声。
段々と、雨宮さんの声が遠くなる。
さよなら。
それを、口に出して言った時だった。
ガシッ
誰かが私の手を掴み、冷たい闇の中から引っ張り上げる。
え? と目を開けた時。
さっきまで背中にあった闇は、私の正面へと来ていた。
そしてーー、
私の代わりに鏡の女に捕らえられていたのは、
翔先輩だった。