「視えるんです」
ゆうれい、って、あの『幽霊』だよね。
「あの……幽霊って、髪の長い女の人……とかですか?」
「まぁ、そうだね」
「……貞子とかそれ系ですよね?」
「ザックリと言えばそうだね。 ていうかキミは、髪の長い女が好きだね」
「いえ、好きというわけじゃなくて……」
……逆に、大嫌いです。
ホラー映画はもちろん、怪談話なんかも大嫌い。
いや、嫌いというより、怖い。 あり得ないくらい怖い。
目に見えないものを想像してしまい、一人で震えて眠れなくなってしまう弱っちい人間なのだ。
「もしかして怖がり?」
「な、なんでわかるんですかっ!? まさか透視とかですか!?」
「いや、うんまぁ、見ればわかるよ。 顔真っ青だし」
「こ、怖くないですよっ!! やだなぁ先輩、私高校生ですよっ!!」
なんて強がってみるけれど、体の震えは止まらない。
幽霊コワイ……おばけ大嫌い……。
「……なぁあの椅子、実は目の血走った男子生徒が座ってるんだよ」
「ふぁい!?」
「この教室で自殺したんだ。 で、いつも決まった時間になると“ある音”がするんだ」
「お、音……!?」
「そう、首吊りした時の音」
ゴクッ……
唾を飲み込む音が、やけに大きく聞こえる。
さっき私が座ろうとした椅子に、目の血走った男子生徒が居る……だから先輩は、『死にたくなかったら』なんて怖いことを言ったんだ。
本当に、ココに、居る。
ガラッ
バタンッ
……!!!!
「ギャー!! 出たー!!」