「視えるんです」


……ど、どうしようっ。

本田先輩は私のことなんてなんとも思ってないと思って、付き合ってるつもりなんて、全然無かった……!!




「空き教室っつーいい場所があるんだから、二人きりでイチャイチャすればいいんじゃねぇの?」

「……っ……な、なに言ってるんですか!! 大体教師が、空き教室でサボってる人を放っておいていいんですかっ……!?」

「いーのいーの、俺寛大だから。 むしろ俺もあそこで一服してるし。
校内全面禁煙だからさぁ、ああいう場所も必要だよねぇ」

「なっ……」




……この人、全然教師らしくないっ!!

先生ってのは、生徒のお手本となる人のはずなのに。
なのに先生自ら空き教室でサボって喫煙しているなんて!!




「校長先生に言いつけますよ!?」

「おぉ言ってみろ、あんなハゲ恐くもなんともねぇわ」

「……教育委員会に訴えてやるー!!」

「はいはい、無駄な努力頑張ってねー」




……なんなんだこの人はー!!

校長は恐くない。 教育委員会と聞いてもヘラヘラ笑ってる。

こんな人が教師でいいわけっ……!?




「お、南沢。 後ろに首無し人間」

「ギャー!?」

「じゃねーや、本田だ」

「ギャー!! ……って、本田先輩!?」




うわぁ!!
本当に本田先輩だ!!

ギャーとかアホな叫び声を上げちゃった!!


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