恋愛のやり直し方
「だから、泊りこんでまで美味しいスープ作ってくれたんじゃないの?実際かなり助かったけど」



「………」




私がこの2週間ここに泊ってまでしてきた仕事は、本のためだったのだろうか?




「まぁ、森嶋さんの理由はなんにしても、書き終わってからこんなにフツーの状態でいられるのは初めてだよ。体調管理してもらってありがとう」




「そんなことっ!仕事ですから」




そう。
友田のフォローをするのが私の仕事だから、私は一生懸命になったんだ。




「随分仕事熱心なんだね」



「………ありがとうございます……」



何か含みを持たせたその言い方が気に入らなくてつい無愛想にそう言ってしまった。


なのに、友田は気にすることなくクスリと笑って「さぁ、竜が終わるまでちょっと寝ようかな」と欠伸を一つして寝室へ消えて行った。
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